確定申告しないとどうなる?申告義務の有無によるペナルティと正しい対処法

確定申告をしなかった場合の結果は、全員同じではありません。

大部分の給与所得者は、勤務先の年末調整によって所得税の精算が完了するため、通常は確定申告をする必要がありません。一方、副業や事業による所得があるなど、確定申告義務がある人が申告せずに放置すると、無申告加算税や延滞税が生じる可能性があります。

まず確認すべきなのは、自分に所得税の確定申告義務があったかどうかです。

この記事のポイント
  • 申告義務がある場合:無申告加算税や延滞税が生じる可能性がある
  • 申告義務がない場合:所得税の無申告ペナルティは原則として生じない
  • 還付や特例を利用できる場合:申告しないと税金の還付や控除を逃すことがある

障害年金を受給している人や障害者控除を利用できる人も、障害の有無だけで申告要否が決まるわけではありません。障害年金は非課税ですが、給与や老齢年金などの課税対象となる収入があれば、それらを基に判断します。

この記事では、確定申告をしなかった結果を3つに分け、申告要否の確認方法と期限を過ぎた後の対処法を解説します。

関連記事:確定申告しないとどうなる?申告義務の有無によるペナルティと正しい対処法

目次

申告義務があるかどうかで結果が変わる

確定申告をしなかった場合は、次の3つに分けると判断しやすくなります。

申告義務があり納める税額もある場合

無申告加算税や延滞税が生じる可能性があります。年末調整済みの給与以外の所得が一定額を超える会社員や、所得税額が生じる個人事業主などが該当します。

申告義務がない場合

所得税の無申告ペナルティは原則として生じません。年末調整が完了し、ほかに申告が必要な所得がない会社員や、障害年金以外に課税対象となる所得がない人などが該当します。

申告義務はないが還付や特例を利用できる場合

申告しないと税金の還付や控除を逃すことがあります。年の途中で退職した人や、医療費控除・障害者控除などを年末調整で適用していない人が代表例です。

ただし、これらはあくまで目安です。確定申告義務は収入額だけでは決まらず、所得の種類、必要経費、所得控除、年末調整の有無、給与の支払先などを踏まえて判断します。

また、次の3つは別の手続きです。

  1. 所得税の確定申告書を提出する
  2. 確定した所得税を納付する
  3. 市区町村へ住民税を申告する

所得税の確定申告が不要でも、住民税申告が必要になることがあります。反対に、所得税の申告義務がなくても、還付を受けるために任意で確定申告することもできます。

確定申告が必要なのにしなかった場合

申告義務がある人が法定申告期限までに申告しなかった場合、その後の申告は期限後申告として扱われます。

納める所得税がある場合は、本来の税額に加えて、無申告加算税や延滞税が生じる可能性があります。青色申告者は、55万円または65万円の青色申告特別控除を受けられなくなることにも注意が必要です。

ただし、単に期限を過ぎた場合と、売上を隠すなどの悪質な脱税は同じ扱いではありません。

無申告加算税

無申告加算税は、期限内に申告書を提出しなかった場合に、原則として納付すべき税額を基礎に計算される加算税です。

収入や売上そのものに割合を掛けるわけではありません。また、期限後申告の時期や税務調査との関係によって割合が変わります。

無申告加算税の主な割合
  • 税務調査の事前通知前に自主的に申告:納付すべき税額の5%
  • 事前通知後かつ調査による決定を予知する前:50万円以下の部分は10%、50万円超300万円以下の部分は15%、300万円超の部分は25%
  • 調査後または決定を予知した後:50万円以下の部分は15%、50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%

上記は、令和5年分以後の所得税に関する主な割合です。

過去に無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合や、帳簿の提示・記載状況に問題がある場合は、一定の加重措置が適用されることがあります。

一方、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、期限内に申告する意思があったと認められるなど、所定の要件をすべて満たす場合は、無申告加算税が課されません。

「1か月以内なら必ず課されない」という制度ではありません。詳しい要件は、国税庁の「No.2024 確定申告を忘れたとき」で確認してください。

延滞税

延滞税は、所得税を法定納期限までに納めなかった場合に、納期限の翌日から実際に納付した日までの日数に応じて生じます。

無申告加算税が「期限内に申告しなかったこと」に対応するのに対し、延滞税は期限までに納付しなかったことに対応します。

2026年1月1日から12月31日までの延滞税率

  • 納期限の翌日から2か月を経過する日まで:年2.8%
  • 納期限の翌日から2か月を経過した日以後:年9.1%

延滞税率は年によって変わります。複数年分を申告する場合は、それぞれの期間に適用される割合を確認しなければなりません。

延滞税は本税に対して日数で計算されます。無申告加算税に対して、さらに延滞税が掛かるわけではありません。

詳しくは国税庁の「No.9205 延滞税について」をご確認ください。

青色申告特別控除への影響

青色申告者が期限後申告をすると、55万円または65万円の青色申告特別控除を受けられません。

55万円控除を受けるには、複式簿記による記帳などの要件を満たしたうえで、貸借対照表や損益計算書を添付した確定申告書を期限内に提出する必要があります。

65万円控除には、55万円控除の要件に加え、期限内のe-Tax申告または優良な電子帳簿の保存などの要件があります。

期限後申告では55万円・65万円控除の期限要件を満たせません。そのため、ほかの要件を満たしている場合でも、適用できる青色申告特別控除は原則として10万円です。

たとえば、65万円控除を予定していた人が10万円控除になると、所得から差し引ける金額が55万円減ります。その結果、所得税や住民税の負担が増える可能性があります。

これは無申告加算税のような加算税ではありませんが、個人事業主にとっては大きな不利益になり得ます。

なお、個人の青色申告について、「2年連続で期限後申告をすると自動的に承認が取り消される」という一般則は確認できません。

個人の青色申告の承認取消しは、帳簿書類を提示しない、税務署長の指示に従わない、所得の隠蔽・仮装があるなど、記帳や申告の状況を踏まえて判断されます。

詳しい控除要件は、国税庁の「No.2072 青色申告特別控除」をご確認ください。

悪質な場合

単なる失念や制度の誤解と、売上の除外、架空経費の計上、二重帳簿の作成などは、同じ扱いではありません。

課税の基礎となる事実を隠蔽または仮装し、それに基づいて申告しなかった場合は、無申告加算税に代えて、原則として40%の重加算税が課されることがあります。過去の加算税の状況によっては、加重措置の対象になる場合もあります。

通常の申告遅れは、無申告加算税や延滞税などの行政上の措置によって処理されるのが基本です。一方、隠蔽・仮装を伴い、金額が大きい、長期間にわたっているなどの悪質な脱税は、刑事罰の対象になることがあります。

申告漏れに気づいたときは、資料を捨てたり、後から帳簿の数字を都合よく作り直したりしてはいけません。残っている請求書、通帳、領収書、源泉徴収票などを整理し、事実に基づいて申告してください。

意図的な売上除外や複数年の無申告がある場合は、税理士への相談も検討しましょう。

税金を納付しない状態が続いた場合

申告書を提出しても、税金を支払わない状態が続けば滞納になります。

一般的な滞納処分は、次のような流れで進みます。

  1. 督促が行われる
  2. 預貯金や給与、不動産などの財産が調査される
  3. 財産が差し押さえられる
  4. 取立てや公売が行われる
  5. 売却代金などが滞納税額へ充当される

申告期限を1日過ぎただけで、直ちに差押えになるわけではありません。しかし、税務署からの連絡や督促を放置すれば、差押えに進む可能性があります。

納付資金が不足していても、申告そのものを先延ばしにするのは適切ではありません。まず税額を確定させ、納付が難しい場合は所轄税務署の徴収担当へ相談してください。

一定の要件を満たせば、納税や財産の換価に関する猶予が認められる場合があります。

確定申告をしなくても問題がないケース

もともと所得税の確定申告義務がなく、還付や申告を要件とする特例も利用しない場合は、確定申告をしなかったことだけを理由に無申告加算税が課されることは原則としてありません。

代表的なのは、次のような人です。

  • 勤務先が1か所で年末調整を受けている
  • 年末調整されていない給与や給与以外の所得がない
  • 確定申告で追加する所得控除や税額控除がない
  • 源泉徴収された税金の還付を求めない
  • 障害年金以外に課税対象となる所得がない

ただし、給与収入が2,000万円を超える人、2か所以上から給与を受け取っている人、給与以外の所得がある人などは、個別の確認が必要です。

大部分の給与所得者は年末調整によって所得税の精算が完了しますが、会社員なら必ず申告不要という意味ではありません。

所得税の申告が不要でも住民税申告が必要な場合

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になることがあります。

特に、年末調整済みの給与以外に所得があり、所得税の20万円基準によって確定申告をしない場合は、住民税申告の要否を確認してください。

また、障害年金などの非課税所得だけで生活している人についても、自治体から住民税申告を求められる場合があります。

所得情報が提出されていないと、次の手続きに影響する可能性があります。

  • 課税・非課税証明書の発行
  • 国民健康保険料の軽減判定
  • 介護保険料の算定
  • 福祉・給付制度の所得確認
  • 公営住宅などの申込み

一方、給与所得だけで勤務先から自治体へ給与支払報告書が提出されている場合などは、住民税申告が不要になることがあります。

住民税申告の要否は、所得の種類、給与支払報告書などの提出状況、所得税の確定申告の有無、自治体の申告不要要件などによって変わります。

所得税の確定申告をしない場合は、1月1日時点の住所地にある市区町村へ住民税申告の要否を確認しましょう。

申告しないと罰則ではなく損になるケース

確定申告義務がなくても、申告しないことで税金の還付や税制上の特例を逃すことがあります。

この場合は、無申告加算税のようなペナルティではなく、本来受けられた還付や控除を受けられないことが問題です。

  • 年の途中で退職し、年末調整を受けていない
  • 医療費控除を受けられる
  • 寄附金控除を受けられる
  • 住宅ローン控除を初めて受ける
  • 災害や盗難による雑損控除を受けられる
  • 障害者控除を年末調整で適用していない
  • 同一生計配偶者や扶養親族について障害者控除を適用していない
  • 源泉徴収された所得税が本来の税額より多い

源泉徴収された所得税や予定納税額が年間の所得税額より多い場合、還付申告によって納め過ぎた税金が戻る可能性があります。

還付申告は、原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。詳しくは国税庁の「No.2030 還付申告」をご確認ください。

ただし、55万円・65万円の青色申告特別控除など、期限内申告が適用要件となっている制度もあります。すべての控除や特例を5年間さかのぼって同じ条件で利用できるわけではありません。

自分に確定申告が必要か確認する

確定申告が必要かどうかは、職業名や障害の有無だけでは判断できません。

次の資料を用意し、所得の種類、年末調整、必要経費、所得控除などを確認します。

  • 給与や老齢年金の源泉徴収票
  • 売上や報酬の明細
  • 必要経費が分かる帳簿や領収書
  • 社会保険料や生命保険料などの控除証明書
  • 医療費や寄附金に関する資料
  • 障害者手帳や障害者控除対象者認定書など
  • 年末調整を受けたか分かる書類

会社員・副業

大部分の会社員は、勤務先の年末調整によって所得税の精算が終わるため、確定申告は不要です。

ただし、次のような人は確定申告が必要になることがあります。

  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える
  • 1か所から給与を受け、給与・退職所得以外の所得が20万円を超える
  • 2か所以上から給与を受け、年末調整されなかった給与収入と一定の所得の合計が20万円を超える
  • 同族会社から貸付金の利子や不動産の賃貸料を受け取っている
  • 源泉徴収義務のない者から給与を受け取っている

よく知られる「20万円」という基準は、すべての人やすべての副収入に共通する非課税枠ではありません。

1か所から給与を受けて年末調整が完了している人については、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告が不要となる場合があります。

ここでいう20万円は収入ではなく、原則として収入から必要経費を差し引いた所得です。また、2か所以上から給与を受ける人には別の判定方法があります。

所得税の確定申告をしない場合は、住民税申告の要否も確認してください。

個人事業主・フリーランス

個人事業主やフリーランスは、1年間の収入から必要経費を差し引いて所得を計算し、所得控除や税額控除を反映した結果、納める所得税が生じるかを確認します。

「売上がいくらなら確定申告が必要」という一つの金額では判断できません。同じ売上でも、必要経費、ほかの所得、扶養関係、社会保険料、障害者控除などによって結論が変わるためです。

赤字や所得が少なく所得税の申告義務がない場合でも、次の目的で申告が必要または有利になることがあります。

  • 源泉徴収された所得税の還付を受ける
  • 青色申告の純損失を翌年以後へ繰り越す
  • 住民税や国民健康保険料の判定に所得を反映する
  • 所得証明書や課税証明書を取得できる状態にする

青色申告者は、55万円・65万円の青色申告特別控除に期限内申告要件があることにも注意してください。

年金受給者

老齢基礎年金や老齢厚生年金など、老齢を支給事由とする公的年金は、原則として所得税の課税対象です。

公的年金等には、一定の要件を満たすと所得税の確定申告が不要になる制度があります。ただし、公的年金等以外に給与、不動産、個人年金などの所得がある場合や、医療費控除などを受けたい場合は、別途確認が必要です。

公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下でも、所得税の確定申告が不要になるためには、ほかの要件を満たす必要があります。

障害年金と遺族年金は、所得税および復興特別所得税の課税対象ではありません。老齢年金と障害年金は、同じ「年金」という名称でも税務上の扱いが異なります。

また、所得税の申告が不要でも住民税申告が必要になる場合があります。

関連記事:年金受給者が確定申告しないとどうなる?

アルバイト・学生

アルバイトや学生も、給与の受取先が1か所か複数か、年末調整を受けたか、給与以外の所得があるかによって申告要否が変わります。

「学生だから申告不要」「収入が少ないから何もしなくてよい」とは一律に判断できません。

複数の勤務先で働いた場合は、次の点を確認しましょう。

  • それぞれの勤務先から源泉徴収票を受け取っているか
  • どの勤務先で年末調整を受けたか
  • 年末調整されていない給与収入がいくらあるか
  • 給与以外の所得があるか

タイミーで通常の勤務をして受け取った賃金については、タイミー公式が給与所得として源泉徴収票を発行しています。アプリのマイページから、年ごと・企業ごとの源泉徴収票を確認できます。

そのため、タイミーで複数の企業に勤務した場合は、原則として複数の勤務先から給与を受け取ったケースとして確認します。

源泉徴収された所得税が本来の税額より多ければ、確定申告義務がなくても還付を受けられる可能性があります。

関連記事:タイミーで確定申告しないとどうなる?

退職した人

年の途中で退職し、その年中に再就職していない人は、勤務先の年末調整を受けていないことがあります。

この場合、毎月の給与から源泉徴収された所得税が年間の所得税額より多くなっていれば、確定申告によって還付される可能性があります。

一方、退職金は通常の給与とは異なる退職所得として扱われます。「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先へ提出したかどうかなどによって、確定申告の扱いが変わります。

年度途中で退職した給与の精算と、退職金に対する課税は分けて確認してください。

関連記事:退職金を確定申告しないとどうなる?

障害者

本人が障害者であることだけを理由に、確定申告が必ず必要になったり、反対にすべての申告が不要になったりするわけではありません。

主に確認するのは、次の3点です。

  1. 受け取っている収入が課税対象か
  2. 給与や老齢年金などについて申告義務があるか
  3. 障害者控除が年末調整などで適用されているか

障害基礎年金や障害厚生年金などの障害年金は、所得税および復興特別所得税の課税対象ではありません。

障害年金だけを受給し、ほかに課税対象となる所得がなければ、通常、所得税の確定申告は必要ありません。障害年金について公的年金等の源泉徴収票が送付されないのも、非課税であるためです。

ただし、次のような課税対象の収入がある場合は、障害年金とは分けて申告要否を確認します。

  • 給与
  • 事業や業務委託による収入
  • 老齢年金
  • 個人年金
  • 不動産収入
  • 株式や不動産の売却による所得

障害年金が非課税でも、ほかの所得まで非課税になるわけではありません。また、障害年金しか受け取っていない場合でも、非課税証明書の発行や福祉制度の所得確認などのために、自治体から住民税申告を求められることがあります。

障害者控除の金額
  • 障害者:27万円
  • 特別障害者:40万円
  • 同居特別障害者:75万円

納税者本人、同一生計配偶者または扶養親族が、所得税法上の障害者に該当する場合に受けられます。

同居特別障害者とは、特別障害者に該当する同一生計配偶者または扶養親族のうち、納税者本人や配偶者、生計を一にする親族のいずれかと同居を常況としている人です。

納税者本人が特別障害者であっても、自分自身について75万円の同居特別障害者控除が適用されるわけではありません。本人の控除額は40万円です。

障害者控除は、勤務先へ必要な申告書を提出して年末調整で適用することもできます。源泉徴収票の「本人が障害者」などの欄や、所得控除の反映状況を確認してください。

年末調整で障害者控除が適用されていれば、その控除を受けるためだけに確定申告をやり直す必要はありません。一方、年末調整で適用しておらず、所得税が源泉徴収されている場合は、確定申告によって還付を受けられる可能性があります。

障害年金の受給と、所得税の障害者控除は別制度です。障害年金を受けていることだけで障害者控除が自動的に適用されるわけではなく、反対に障害年金を受給していなくても、所得税法上の要件を満たせば控除を受けられることがあります。

障害者控除の対象者は、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人、市町村長等の認定を受けた一定の人など、所得税法上の基準によって判断されます。

65歳以上で身体や精神の状態が一定の基準に該当する人は、障害者手帳を持っていなくても、市町村長等から障害者控除対象者として認定される場合があります。

介護保険の要介護認定を受けただけでは、自動的に障害者控除の対象になるわけではありません。障害者控除対象者認定書の交付条件は、住所地の自治体へ確認してください。

詳しくは、国税庁の「No.1160 障害者控除」「No.1185 市町村長等の障害者認定と介護保険法の要介護認定について」をご確認ください。

関連記事:障害者控除を確定申告しないとどうなる?

確定申告を忘れたときの対処方法

申告義務があった可能性に気づいたら、税務署から連絡が来るまで待つ必要はありません。次の順序で対応しましょう。

STEP
対象年と所得を確認する

どの年分を申告していないのかを整理し、源泉徴収票、売上・経費資料、控除証明書、障害者手帳や障害者控除対象者認定書などを集めます。

障害年金は非課税のため、公的年金等の源泉徴収票は発行されません。受給している年金の種類が分からない場合は、年金証書や年金額改定通知書などで確認してください。

STEP
申告要否と税額を確認する

国税庁の確定申告書等作成コーナーで、所得や控除を入力して申告書を作成します。判断が難しい場合は、税務署や税理士へ相談してください。

STEP
期限後申告書を提出する

通常の確定申告書を期限後申告として提出します。税務調査の事前通知前に自主的に申告した場合、無申告加算税は原則5%です。申告漏れに気づいた段階で早く対応しましょう。

STEP
申告書の提出日に税金を納付する

期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日に納付します。申告書を提出しただけでは納付は完了しないため、納付書が届くのを待たずに手続きしてください。

延滞税は、本来の法定納期限の翌日から実際に納付する日まで計算されます。

STEP
一括納付が難しければ相談する

納付資金が不足していても、申告書の提出まで止める必要はありません。申告して税額を確定させたうえで、所轄税務署の徴収担当へ相談してください。

一定の要件を満たせば、納税や財産の換価に関する猶予が認められる場合があります。

複数年の無申告、帳簿や資料の不足、海外所得、暗号資産、不動産・株式の売却、意図的な売上除外がある場合は、税理士への相談も検討しましょう。

よくある質問

還付になる場合でも無申告加算税は掛かりますか?

もともと確定申告義務がなく、税金の還付を受けるためだけに申告する場合は、通常、無申告加算税の対象にはなりません。

還付申告は原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。ただし、期限内申告が要件となる特例は利用できなくなる場合があります。

確定申告をすれば住民税申告も必要ですか?

通常、所得税の確定申告書を提出すると、その情報が自治体へ送られるため、同じ内容について住民税申告を重ねて行う必要はありません。

一方、所得税の確定申告をしない場合は、住民税申告が必要になることがあります。障害年金などの非課税所得しかない場合も、住所地の自治体へ確認してください。

申告書を提出したら納付書が届くまで待ってよいですか?

待たずに納付手続きを行ってください。期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日に納付する必要があります。

提出日に納付できない場合は、所轄税務署へ早めに相談しましょう。

障害年金を受け取っていたら確定申告は不要ですか?

障害年金そのものは非課税なので、障害年金だけを受給している場合は、通常、所得税の確定申告は必要ありません。

ただし、給与、老齢年金、事業収入、不動産収入などがあれば、それらを基に申告要否を判断します。また、所得税の確定申告が不要でも、住民税申告を求められる場合があります。

障害者控除を年末調整で申告し忘れた場合はどうすればよいですか?

確定申告または還付申告で障害者控除を適用できる可能性があります。

源泉徴収票、障害者手帳や障害者控除対象者認定書など、控除区分を確認できる資料を用意してください。還付申告は原則として対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。

家族が亡くなった後も確定申告が必要ですか?

亡くなった人に確定申告義務がある場合は、相続人が準確定申告を行います。

準確定申告の期限は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。通常の確定申告とは期限や提出方法が異なるため、別途確認してください。

関連記事:準確定申告しないとどうなる?

最後に確認すること
  • 申告義務があったか
  • 納める所得税があるか
  • 還付、住民税申告、障害者控除などの手続きが残っていないか

申告義務がある可能性が高ければ、税務署から連絡が来るまで待たず、資料を集めて期限後申告を進めましょう。


参考資料

目次